「もっと音を飛ばせ!」って怒られて凹んでいませんか?
こんにちは!マーチングバンドの世界にどっぷり浸かって早20年、プレイヤーとしても指導者としても酸いも甘いも噛み分けてきた「先輩」ブロガーです。
突然ですが、練習中にこんなこと言われた経験、ありませんか?
「音が小さい!もっと息を入れて!」
「音がそば鳴りしてるぞ!スタンド(観客席)まで届いてない!」
「もっと楽器を鳴らしきれ!」
これ、言われると地味に傷つくんですよね…(笑)。自分では一生懸命吹いているつもりだし、顔を真っ赤にして頑張っているのに、「これ以上どうすればいいの!?」って叫びたくなる気持ち、痛いほどわかります。
僕も現役時代、先輩に「お前の音、蚊が鳴いてるみたいだな」と言われて、悔し泣きしながらロングトーンした記憶があります。ぶっちゃけ、当時は「根性論」全盛期だったので、とにかく腹筋を鍛えたり、無理やり息を押し込んだりしていましたが、実はそれ、全部逆効果だったんです。
結論から言います。楽器を「劇的に」鳴らすために必要なのは、筋力でも根性でもありません。
「理にかなった姿勢」と「効率的な呼吸法」、この2つだけです。
今日は、20年以上のキャリアを持つ僕が、精神論抜きで「どうすれば楽器が勝手に鳴り出すのか」という本音のテクニックを、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。これを読めば、明日の練習からあなたの音は確実に変わり始めますよ♪
ぶっちゃけ「良い音」の正体って何?(精神論はナシで!)
楽器はあくまで「増幅装置」。元の音がショボければ意味がない
まず最初に、残酷な現実をお伝えしますね。高い楽器を買っても、マウスピースをプロモデルに変えても、吹き手がショボければ音はショボいままです(笑)。
楽器というのは、あくまで「あなたが作った振動を大きくするスピーカー(増幅装置)」に過ぎません。金管楽器なら唇の振動、木管楽器ならリードの振動が「音の源」ですよね? この源となる振動が貧弱だと、いくら楽器というスピーカーが優秀でも、出てくる音は「貧弱な音が大きくなっただけ」になっちゃいます。
よく「息を入れろ!」と言われますが、これは「息の量でごまかせ」という意味ではありません。正しくは「唇(やリード)を最も効率よく振動させるための、適切なスピードと圧力の息を供給し続けろ」という意味なんです。ここを勘違いして、ただ闇雲に息を吹き込んでいる人が本当に多い!
僕の経験上、楽器が「鳴っている」状態というのは、無理やり吹いている時ではなく、「楽器と体が共鳴して、軽い力でスコーン!と音が飛んでいく」状態のことです。この感覚を掴むことが、脱・初心者への第一歩ですよ。
「息のスピード」と「息の量」をごちゃ混ぜにしていませんか?
これ、指導現場でもよくある間違いなんですが、「息のスピード」と「息の量」は全く別物です。ここを整理しないと、いつまで経ってもバテるだけで音は飛びません。
- 息の量(ボリューム): 音の「太さ」や「大きさ」に関係します。たくさんの息を使えば音量は上がりますが、コントロールが難しくなります。
- 息のスピード(圧力): 音の「高さ」や「遠達性(遠くまで届く力)」に関係します。ホースの口を指で潰して水を遠くに飛ばすイメージです。
「音が飛ばない」と悩んでいる人の9割は、息の「量」ばかり増やそうとして、息の「スピード」が足りていません。ホースの水で例えるなら、蛇口を全開にしているのに(量は多い)、ホースの口がガバガバ(スピードがない)だから、水が足元にドボドボ落ちている状態です。
マーチングのフィールドや体育館のような広い空間で音を届けるには、この「息のスピード」をコントロールすることが不可欠です。ズバリ言いますが、肺活量が少なくても、息のスピードさえ速ければ、音は驚くほど遠くまで飛びます。 小柄な女子プレイヤーが、大柄な男子よりも通る音を出すことがあるのは、この理屈を知っているからなんですね。
20年の経験で気づいた「鳴る人」と「鳴らない人」の決定的な違い
僕が長年いろんなプレイヤーを見てきて、「あ、この人は上手くなるな」と直感する瞬間があります。それは、「体の力が抜けているかどうか」です。
「楽器を鳴らそう!」と気合が入っている人ほど、肩が上がり、首に筋が浮き、ガチガチに力んでいます。身も蓋もないですが、力めば力むほど、体という共鳴体がミュート(消音)されてしまい、音は死んでいきます。
逆に、本当に上手い人の演奏姿を見てください。マーチングで激しく動いている時でさえ、上半身は驚くほどリラックスしていませんか? まるで楽器が体の一部になったかのように、自然体ですよね。
「鳴る人」は、「頑張る場所」と「サボる場所(力を抜く場所)」を完璧に理解しています。 必要なのは、支えとなる腹部周辺のインナーマッスルだけ。肩、首、腕の力は、音を殺す邪魔者でしかありません。まずは「頑張って吹く」のをやめること。これが「鳴る人」になるための極意です♪
マーチング特有!「動きながら」でもブレない最強の姿勢づくり
上半身と下半身は「別居」させるイメージで
座奏(座って演奏すること)とマーチングの最大の違いは、言うまでもなく「歩きながら吹く」ことです。ここで多くの人が陥るのが、足の衝撃がそのまま楽器に伝わってしまい、音が「ワウワウ」と揺れてしまう現象です。
これを防ぐために、僕がよく指導で使う言葉が「上半身と下半身を別居させろ!」です(笑)。
腰から下は、地面を捉えて激しく動く「戦車」のキャタピラ。でも、腰から上は、優雅にお茶を飲んでいる「貴族」。このくらい極端なイメージを持ってください。骨盤という土台の上に、上半身が「ふわっ」と乗っかっている感覚です。
具体的には、「みぞおち」から下が足だと思って歩くのがコツです。マーチングの歩き方(ロールステップなど)は、基本的に膝のクッションを使って衝撃を吸収しますが、上半身までガチガチに固めていると、そのクッション効果が消えてしまいます。上半身は常にリラックスし、下半身の揺れを腰でシャットアウトする。これができると、どんなに激しいドリル(動き)の中でも、音がブレずに安定しますよ。
鳩尾(みぞおち)を持ち上げる?いや、肋骨を開くんです!
「姿勢を良くして!」と言われると、背中を反らせて、胸を突き出してしまう人がいます。これ、一見キレイに見えますが、呼吸の観点からは最悪です。背中が反ると、背中側の肺が圧迫されて息が入らなくなるからです。
正しい姿勢のポイントは、「肋骨(ろっこつ)と骨盤の距離を離す」ことです。
イメージしてください。あなたの肋骨が、鳥かごのようにカパッと開いて持ち上がる感覚です。みぞおちを「前」に出すのではなく、「上」に引き上げるイメージですね。そうすると、お腹の皮がピーンと縦に伸びる感覚がありませんか? その状態が、肺が最も広がりやすく、かつ腹筋(インナーマッスル)が働きやすい「最強のポジション」です。
この姿勢をキープしたまま楽器を構えると、自然と重心が安定し、深いブレスが取れるようになります。猫背になって肋骨が骨盤に落ちてしまっている状態では、どんなに頑張っても良い音は出ません。まずは「肋骨を持ち上げる」。これを今日の練習から意識してみてください♪
ベルアップで音が詰まる人は「肩甲骨」を疑え
マーチングの花形といえば、楽器を高く掲げる「ベルアップ」ですよね! でも、ベルアップした瞬間に音が詰まったり、高音が出にくくなったりすること、ありませんか?
その原因の99%は、「肩が一緒に上がってしまっている」ことです。
腕を上げようとすると、どうしても僧帽筋(肩の上側の筋肉)に力が入ってしまい、首をすくめたような状態になりがちです。こうなると気道が圧迫され、息の通り道が狭くなってしまいます。これでは、ホースを踏んづけているようなもので、音が出るわけがありません。
ここで意識してほしいのが「肩甲骨」です。楽器を持ち上げる時は、腕の力ではなく、「肩甲骨を背骨に寄せて下げる」力を使います。脇の下の筋肉(前鋸筋など)を使って、下から腕を支えるイメージです。
「肩は下げたまま、肘(ひじ)だけを持ち上げる」感覚でベルアップしてみてください。首周りが驚くほど自由になり、息がスムーズに通るはずです。鏡を見ながら、ベルアップした時に首が短くなっていないかチェックするのもおすすめですよ!
今日からできる!肺活量に頼らない「魔法の呼吸法」
「腹式呼吸」という言葉の呪縛を解こう
吹奏楽やマーチングをやっていると、耳にタコができるほど聞く「腹式呼吸」。でも、ぶっちゃけ「お腹に空気を入れる」なんて物理的に不可能です。空気は肺にしか入りません(笑)。
初心者の子がよくやる間違いが、お腹を膨らませることだけに意識が行き過ぎて、肝心の肺が全然広がっていないパターンです。お腹をポッコリ出すことが目的になっちゃってるんですね。
僕が推奨するのは、「全方向呼吸」です。お腹(前)だけでなく、脇腹(横)も、背中(後ろ)も、浮き輪が膨らむように360度全体を広げるイメージです。特に「背中側に息を入れる」感覚を持つと、音の響きが劇的に変わります。
一度、前屈をして(お辞儀をした状態で)深呼吸をしてみてください。背中や腰のあたりが膨らむのが分かりますか? その感覚です! その「背中が広がる感覚」をキープしたまま体を起こして吹く。これだけで、音の厚みが倍増しますよ。
吸うことよりも「吐ききること」が先決!
「息がたくさん吸えないんです…」という相談をよく受けますが、その原因のほとんどは「肺の中に古い空気が残っているから」です。
満タンのペットボトルに、さらに水を注ごうとしても溢れるだけですよね? 呼吸も同じです。まずは、肺の中にある空気を空っぽにする必要があります。
ブレスの直前に、肺の中の空気を「ハッ!」と吐ききってみてください。そうすると、体は酸素不足を感じて、反射的に「吸おう!」とします。この「反射的な吸気」を利用するのがコツです。
頑張って「吸って吸って吸って!」とするのではなく、「全部吐く→体が勝手に吸う」というサイクルを作るんです。これなら、力むことなく一瞬で大量の空気を取り込むことができます。マーチングのような激しい動きの中で素早くブレスを取るには、この「リラックスした反射」を使うのが一番の近道なんです。
【実践編】風船やティッシュを使った地味だけど効く練習
では、具体的な練習方法を紹介します。お金をかけずに今すぐできる方法です。
- ティッシュ吹き飛ばし練習:
壁にティッシュを一枚あてて、息だけで落とさないようにキープします。これは「息のスピード」と「持続力」を鍛えるのに最適です。距離を離すのではなく、至近距離でOK。大事なのは「一定の圧力をかけ続ける」ことです。 - 風船トレーニング:
100均の風船で構いません。一度も口を離さずに、膨らませたりしぼませたり(息を戻す)を繰り返します。これは肺活量だけでなく、横隔膜の柔軟性を高めるのに効果絶大です。
そして、もし「もっと効率的に、楽にブレスの練習がしたい!」という方には、僕も現役時代から愛用している秘密兵器を紹介します。これ、見た目はただのプラスチックの筒なんですが、効果はえげつないです。
中のピンポン玉を、息の力だけで上に浮かせ続ける器具なんですが、これを使うと「喉が開いた状態」で「一定の圧力をかけ続ける」感覚が強制的に身につきます。 視覚的にボールが見えるので、「あ、今息が弱まったな」というのが一目瞭然なんですよね。
しんどいロングトーン練習も、これを使えばゲーム感覚で楽しくなりますし、何より「楽器を吹くのが楽になった!」と実感できるのが早いです。正直、これ無しでの練習は考えられないレベルの必需品です♪
メンタルも大事!「遠くに飛ばす」イメージの具体化
5m8歩の向こう側じゃなく、スタンドの一番後ろを狙え
マーチングでは「5m8歩(5メートルを8歩で歩く)」という基本単位がありますが、意識がその「足元の5メートル」に向いてしまっていませんか?
音というのは、「狙った場所に落ちる」性質があります。足元を見て吹けば音は足元に落ち、譜面台を見て吹けば譜面台で止まります。
僕がいつも言っているのは、「スタンド(観客席)の一番後ろにいる、あくびをしているおじさんを起こすつもりで吹け!」ということです(笑)。
物理的な距離だけでなく、イメージの距離を伸ばすんです。ベルの先からレーザービームが出ていて、それが会場の壁を突き抜けていくようなイメージを持ってください。不思議なもので、人間は「あそこに届けたい!」と強くイメージすると、体(呼吸器官)が勝手にそのための準備をしてくれるんです。細かい筋肉の使い方がどうとか考える前に、まずは「ターゲット」を明確にすること。これだけで音の飛び方は変わります。
「失敗したらどうしよう」が一番音を殺す
最後に、一番大切な話をします。それは「自信」です。
「音を外したら怒られるかな…」「ピッチが合わなかったらどうしよう…」
そんな不安を抱えながら吹く音は、間違いなく「縮こまった音」になります。そして皮肉なことに、縮こまって吹くから余計にコントロールが効かなくなってミスをするんです。
「間違えてもいいから、良い音で間違えろ!」
これは僕の恩師の言葉ですが、本当にその通りだと思います。ショボい音で正解するより、豊かな音で堂々と間違えた方が、修正もしやすいし、何より聞いていて気持ちがいいものです。
マーチングは「魅せる」芸術です。あなたの不安はお客さんに伝わりますが、あなたの「楽しい!」「届けたい!」というポジティブなエネルギーも必ず伝わります。失敗を恐れず、深呼吸して、思いっきり息を流し込んでください。あなたの音は、あなたが思っている以上に素晴らしい可能性を秘めていますよ!
まとめ:今日から意識を変えれば、音は必ず変わる!
いかがでしたか?
今回は、20年以上の経験から導き出した「楽器を鳴らすための」本音テクニックをお伝えしました。
- 楽器は増幅装置。力まずに「息のスピード」で鳴らす。
- 姿勢は「肋骨を持ち上げ」、上半身と下半身は「別居」させる。
- 呼吸は「背中」も使い、吸う前にまず「吐ききる」。
- メンタルは「スタンドの最後列」を狙い、失敗を恐れない。
これら全てを一度にやるのは難しいかもしれません。でも、「今日は肋骨の位置だけ意識してみよう」「今日は吐くことだけ集中しよう」と、一つずつ試してみてください。
継続は力なり。地味な基礎の積み重ねが、ある日突然「あ、鳴った!」という感動的な瞬間を連れてきてくれます。その瞬間を目指して、日々の練習を(適度にサボりつつ笑)頑張っていきましょう!
あなたの音が、フィールドいっぱいに響き渡るのを応援しています♪
