一糸乱れぬ超絶技巧!マーチング・スネアの「カッコよさ」は異常です
こんにちは!マーチングの世界にどっぷり浸かって早20年以上。青春のすべてを体育館の床と炎天下のアスファルトに捧げてきた、自称「マーチング馬鹿」の先輩ブロガーです(笑)。
突然ですが、YouTubeやテレビでマーチングバンドのドラムライン(打楽器隊)を見たことありますか?
あの一列に並んだスネアドラムが、機械のように全く同じ動きで、マシンガンのような音を叩き出す姿……。
「え、これ人間がやってるの? ロボットじゃないの?」
って思いませんでした?
正直、初めて見た時は僕もドン引きしました(褒め言葉です)。
今回は、そんなマーチングの花形であり、異常なまでのカッコよさを誇る「マーチング・スネアドラム」について、経験者だからこそ語れる「ぶっちゃけ話」満載で解説していきます。
これからマーチングを始める初心者の方も、ただただ「あの凄さを知りたい!」というファンの方も、ぜひこの沼の深さを覗いていってください。結論から言うと、マーチングスネアは「スポーツ」であり「アート」であり、究極の「団体競技」です!
20年以上携わっている僕の経験的には、スネアを知れば知るほど、マーチング観戦が100倍面白くなりますよ♪
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そもそも「バッテリー」って何?スネアドラムの立ち位置を解説
マーチングの世界に足を踏み入れると、まず最初に飛び交う専門用語に戸惑いますよね?
「バッテリー集合!」なんて言われて、「え?電池切れたんですか?」なんて返したら、先輩たちに苦笑いされちゃいます(笑)。
まずは、スネアドラムが所属する「バッテリー」というセクションについて、そしてスネアがバンドの中でどんな役割を果たしているのか、ぶっちゃけて解説していきましょう。
バッテリーって何?電池じゃないよ(笑) マーチングにおける「バッテリー」の意味
マーチングバンドにおける打楽器(パーカッション)は、大きく2つのグループに分かれます。
- ピット(フロントピット):フィールドの前方に固定されて動かない打楽器隊(マリンバ、ビブラフォン、ティンパニなど)。
- バッテリー(ドラムライン):楽器を担いでフィールドを歩き回る打楽器隊(スネア、テナー、バスドラム、シンバル)。
そう、この「歩く打楽器隊」のことを総称して「バッテリー」と呼ぶんです。
語源には諸説ありますが、軍隊用語の「砲列(Battery)」から来ているとか、バンド全体の「エネルギー源(Battery)」だからとか言われています。
僕の感覚としては、まさに「エネルギー源」ですね。バッテリーのリズムが死ぬと、バンド全体の動きも音楽も死にます。それくらい責任重大なポジションなんです。
その中でもスネアドラムは、バッテリーの中心的存在。一番音が通りやすく、細かいリズムを担当するため、観客の視線も釘付けになります。
ぶっちゃけ、一番モテるパートかもしれません(個人の感想です 笑)。でもその分、練習量は半端じゃないですよ!
吹奏楽のスネアとは別物!カチカチのヘッドが生む爆音
「吹奏楽部でスネアやってたから、マーチングも余裕でしょ?」
これ、初心者が一番陥りやすい罠です。
正直に言います。吹奏楽のスネアとマーチングのスネアは、もはや「別の楽器」だと思った方がいいです。
一番の違いは、太鼓に張ってある皮(ヘッド)です。
吹奏楽やオーケストラのスネアはプラスチック製のヘッドが一般的ですが、マーチングのスネアには「ケブラー繊維」という、防弾チョッキにも使われるような超頑丈な素材が使われています。
これを、特殊なチューニングキーを使って、これでもか!というくらいカンカンに張り詰めるんです。これを「ハイテンション・ヘッド」と呼びます。
叩いた感触は、例えるなら「コンクリートや大理石のテーブルを叩いている」ような硬さです(笑)。
なぜそんなに硬くするのか?
それは、屋外の広いフィールドでも音が遠くまで飛ぶようにするため、そして細かい音符の粒立ちをハッキリさせるためです。
この「カチカチのヘッド」を叩きこなすには、独特のスティックコントロールが必要になります。吹奏楽のフワッとしたタッチでは、全く歯が立ちません。リバウンド(跳ね返り)が強烈すぎて、油断するとスティックが顔に飛んできますからね!
バンドの「指揮者」代わり?テンポキープの重圧
マーチングバンドには「ドラムメジャー」という指揮者がいますが、演奏中、メンバーは後ろを向いたり、激しく動き回ったりするため、常に指揮者を見ているわけにはいきません。
じゃあ、誰に合わせて演奏しているのか?
ズバリ、スネアドラムの音です。
スネアドラムが叩く「タカタカッ!」という鋭い音が、バンド全体のメトロノーム代わりになります。つまり、スネアのテンポが揺れると、100人以上のバンド全員が崩壊する可能性があるんです。
これ、めちゃくちゃプレッシャーですよね?(笑)
「コンテ(動きの設計図)」に従って、5m8歩(5メートルを8歩で歩く、マーチングの基本歩幅)でフィールドを駆け回りながら、絶対にテンポを揺らしてはいけない。
心臓の鼓動が早くなっても、リズムは冷静にキープする。これがスネアドラマーの宿命です。
僕も現役時代、パレードで少しテンポが走ってしまい、後ろのカラーガードや管楽器がドミノ倒しのようにズレていった悪夢を何度か見ました……。スネアはバンドの心臓部。止まることも乱れることも許されないのです。
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なぜあんなに揃うの?「一糸乱れぬ」叩き方の秘密
マーチングスネアの最大の魅力といえば、やはりあの「一糸乱れぬユニゾン」ですよね。
5人、時には10人以上のスネアラインが、まるで一人の人間が叩いているかのように、音も動きも完全にシンクロする。
「どうやって合わせているの?」とよく聞かれますが、これには明確なテクニックと、血の滲むような調整作業があります。
高さ数センチの世界!ストロークの厳密なコントロール
音が揃わない原因の9割は、「スティックを振り上げる高さ」がバラバラだからです。
マーチングでは、スティックの高さ(ハイト)を厳密に定義しています。
- 3インチ(約7.5cm):ピアニッシモやゴーストノート
- 9インチ(約23cm):メゾフォルテ
- 15インチ(約38cm):フォルテ、アクセント
といった具合に、チームごとに「この音量の時はここ!」という高さが決まっています。
練習では、実際に定規を当てたり、鏡を見ながら高さを合わせる作業を延々と繰り返します。
「お前、今3インチじゃなくて4インチ上がってたぞ!」
なんて指摘が飛び交う世界です。数ミリの誤差も許さない、この異常なこだわりこそが、あの一体感を生むんです。
ぶっちゃけ、傍から見たら狂気じみてますよね(笑)。でも、全員のスティックが同じ高さから振り下ろされれば、物理的に音が出るタイミングも揃うわけです。
「気持ちで合わせる」んじゃないんです。「物理で合わせる」んです。
伝統の「レギュラーグリップ」が醸し出す独特の美学
マーチングのスネアドラムといえば、左手の持ち方が独特ですよね?
親指の付け根にスティックを挟む、あの「レギュラーグリップ」です。
最近のドラムセットなどでは、左右同じ持ち方をする「マッチドグリップ」が主流ですが、マーチングでは依然としてレギュラーグリップが王道です。
これには歴史的な理由があります。昔、スネアドラムは肩からストラップで吊るしていたため、太鼓が斜めに傾いていました。その傾いた太鼓を叩きやすくするために考案されたのがレギュラーグリップなんです。
今のマーチングスネアは専用の「キャリングホルダー(キャリアー)」で水平に固定されていますが、それでもレギュラーグリップが使われ続けています。
なぜか?
正直、「カッコいいから」という理由が8割です(笑)。
いや、もちろん機能的な理由もありますよ? 細かい音符のコントロールがしやすいとか、音色がシャープになるとか。
でも、あの左右非対称の構えが生み出す「規律ある美しさ」は、マーチングならではの美学なんです。
制服を着て、帽子を目深にかぶり、レギュラーグリップでビシッと構える。このシルエットだけでご飯3杯いけますよね♪
もはやジャグリング?「スティックトリック」のエンタメ性
最近のマーチングスネアは、ただ叩くだけじゃありません。
演奏の合間にスティックをクルクル回したり、隣の人に投げたり、スティック同士をカチカチぶつけたり……。
これを「スティックトリック」や「ビジュアル」と呼びます。
観客を沸かせるための重要なエンターテイメント要素なんですが、これ、演奏する側からすると地獄のように難しいんです。
複雑なリズムを叩きながら、一瞬の隙間(休符)を使ってスティックを回す。
失敗すればスティックを落とし、音楽が台無しになるリスクがあります。
それでもやるのは、やっぱり「魅せる」ため。
「音」だけでなく「視覚」でも音楽を表現する。これがマーチングスネアが「スポーツ」であり「ショー」である所以です。
上手いチームのトリックは、もはやジャグリングや手品を見ているような感覚になりますよ!
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初心者が絶望する壁と、それを乗り越える「地道すぎる」練習法
ここまで読んで、「うわー!カッコいい!私もやってみたい!」と思ったあなた。
素晴らしい!大歓迎です!
でも、先輩として少しだけ脅しておきますね(笑)。
あの華やかなステージの裏には、地味で、過酷で、心が折れそうになる練習の日々があります。初心者が最初にぶつかる壁と、それをどう乗り越えるかをお伝えします。
足と手は別の生き物!?「マークタイム」の罠
マーチングドラムの最大の難関は、「足を動かしながら叩く」ことです。
その場で足踏みをする「マークタイム」や、実際に歩く「フォワードマーチ」。
座って叩くならできるフレーズも、足を動かした瞬間にボロボロになります。
脳みそがパニックを起こすんですよね。
「足は一定のテンポ(4分音符)」「手は複雑なリズム(16分音符や3連符)」という別々の動きを同時に処理しなきゃいけない。
これを克服するには、「分離脳」を作るしかありません。
最初は楽器を持たずに、歩きながら手を叩く(手拍子)練習から始めましょう。
「右足が出た時に、手はどうなっているか?」をスローモーションで確認するんです。
僕も新人の頃は、通学路で一人ブツブツ言いながら足と手のタイミングを確認していました(完全に不審者です)。
永遠に続く基礎打ち…「エイト」で精神修行
マーチングバンドの練習風景を見たことがありますか?
何時間も何時間も、ひたすら「タンタンタンタン……」と単調な8分音符を叩き続けている集団がいれば、それがバッテリーです。
これは「エイト(8 on a hand)」と呼ばれる基礎練習。
片手で8回ずつ叩く、ただそれだけの練習なんですが、これがもう、本当に奥が深い(そして飽きる!)。
- スティックの高さは揃っているか?
- 音の粒は均一か?
- リズムはヨレていないか?
- 全員の音が一つに聞こえるか?
この単純な動作の中に、マーチングの全てが詰まっています。
ぶっちゃけ、派手な曲の練習よりも、この基礎打ち(ベーシック)の時間が圧倒的に長いです。
「早く曲やりたいよ〜」と思う気持ちは痛いほど分かります。でも、基礎打ちで揃わないチームは、曲を叩いても絶対に揃いません。
20年やってて思うのは、「上手い人ほど基礎打ちを楽しんでいる」ということ。
「今のワンショット、最高にいい音したな♪」って、自分の中で楽しみを見つけられるようになれば、あなたはもう立派なマーチングオタクです(笑)。
隣の人の呼吸を聞け!「耳」を育てる重要性
最後に、一番大切なアドバイスを。
マーチングスネアは、個人技ではありません。隣の人と音を合わせる団体競技です。
初心者はどうしても「譜面を間違えないように」と自分の手元ばかり見て、自分の音しか聞いていません。
でも、それじゃダメなんです。
「隣の人のスティックの動き(視覚)」と「隣の人の音(聴覚)」に全神経を集中させてください。
もっと言うと、隣の人が「息を吸うタイミング」まで合わせるつもりで。
「せーの!」と言わなくても、全員が同じタイミングで叩き出せるようになるには、この「気配を感じる力」が必要です。
自分の音を半分、周りの音を半分聞く。
このバランス感覚が身につくと、不思議と音がズレなくなります。
「あ、今ライン(横一列)全員の心が繋がった!」と感じる瞬間があるんですが、その時の快感は本当に病みつきになりますよ!
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まとめ:マーチングスネアの沼へようこそ
いかがでしたでしょうか?
一糸乱れぬ超絶技巧の裏側には、ミリ単位の調整と、地味すぎる基礎練習の積み重ねがあることを知っていただけたかと思います。
マーチングスネアは、正直しんどいです。
楽器は重いし(スネアだけで7〜8kgあります)、夏は暑いし、手にはマメができるし、先輩は細かいし(笑)。
でも、フィールドの真ん中で、仲間と一列に並んで強烈なビートを叩き込んだ時の、あの「空気が震える感覚」。
そして、観客席から「ウォーッ!」という歓声が降ってきた時の鳥肌。
これは、他の何にも代えがたい最高の体験です。
これからマーチングを始める人も、観る専門の人も、ぜひこの「異常なカッコよさ」を持つスネアドラム(バッテリー)に注目してみてください。
そして、もし街中で練習しているマーチングバンドを見かけたら、「あぁ、あの子たちも基礎打ち頑張ったんだな…」と温かい目で見てあげてくださいね♪
それでは、良きマーチングライフを!
